遅ればせながらこの前の金曜ロードショーのを観ました。
日本ではあまり感じることの無い貧富の差が
「半地下」という住宅の文化でまざまざと見せつけられる衝撃。
そして、金持ちの家に巧妙に入り込む様がとても不気味でした。
こんなに簡単に他人の家に入り込めてしまうのか…というのと
半地下の住人のギラギラした目付き。
貧の側の人間には、飢えから来る野心がありますよね。
あと、同じ地下の人間だった元家政婦夫婦の狂気は凄かった。
同じ臭いのする人間には容赦ないんですね…。
「半地下の臭い」という見えない差別用語を聴いてから
自分をひたすら臭うようになるお父さんの静かな怒りも怖かったですね。
ラストは本当に、ホラー映画の様な展開で
これはゴールデンで流せるレベルじゃないだろ…と思いました。
お金持ちの息子のダソン君がとにかく頭が良くて、それゆえに色々なものを抱えてしまって
可哀想だなと思いました。
子供ながらに聡明なのは時に罪だ。
半地下の姉と弟も頭が良すぎた。
だから計画にほころびが出た。
計画すると必ずほころびが出るというのは正しいと思います。
それが緻密であればあるほど、隙も生まれる。
これは作品賞を獲って然るべき作品だと思いました。
でも総合的なオスカーに相応しいか?と問われると
どうしてもJOKERと比べてしまうんですよね。
それがハリウッドの撮り方と韓国の撮り方の違いなのかもしれないけれど。
同じ貧富の差を抉りだした作品の、どこがどう違うのかというのが
審査員の評価なんだと思います。
アジアの監督の熱量のようなものを感じました。